2013年05月27日

本人

新規利用者の話。
以前、ブログでも触れましたが、今年度から4名の利用者が新たに施設利用者として訓練に取り組んでいる。色んな事に戸惑いながらも、成長する為、一生懸命に頑張っている。その中の1人の話。
4月から通所をスタートし、順調に施設にも慣れてきた利用者の1人が、4月の終わり頃からパッタリと通所しなくなってしまった。学生時代も何度か無断欠勤から休みがちになった事があったようである。支援員が本人の自宅に電話してみると、お父さんが出られ「えっ、行ってないんですか?確認します」との事。その後電話が有り、一度話を聞いて欲しいとの事であったので、お父さんとの面談に。
お父さん「(利用者)がGHOに通いやすくなるように配慮をして欲しい。例えば、精神的に弱い子なので優しい言葉をかけたり、昼休みは自家用車で1人で休憩する等の特別な配慮をして欲しい。ここは施設なんだから、それでお金をもらっているんだから、それくらいして当然だ」との事であった。なる程、非常に熱心で、理路整然と話してくれるお父さんであるし、保護者としては当然の訴えである。
「確かにお父さんの言う通り、ここは施設です。ここは訓練をし、将来利用者が社会に出て行き、自立できるような人間に成長するよう支援をする所です。お父さんの熱心な思いに答えて施設の事を言うと、施設としては、利用者が通所してくれる方が楽だし良い、そしてお父さんが言うように通所さえしてくれたら、お金も入ります。本人の要望を全て聞き入れ通所してくれた方が施設としては良い。これが施設の運営上の目的です。ただ、本人の目的は極端に言うと 施設に通い続ける事 では無く、成長する事 だと思います。(本人)さんは今まで学生時代、同じような事を繰り返し、その度に先生方や保護者の方が手を差し伸べてきました。でも(本人)さんが、これから社会に出て行き、就労していく中で、それは通用しないんです。施設ですから、一般企業と違って休んだからと言って退所にはもちろんしません。ただ、お父さんの言われた考え方をする施設も、もちろん有ります。そっちの方が良いと本人が言うなら施設を変わる事も良いと思います。他の施設で訓練をして、再度GHOが必要だと思ったら帰ってきても良い。ただ我々としては、本人が自らの力で通所してくるまで、一週間でも一か月でも待ちます」と伝えた。
器の広いお父さんで、若造である私の言葉にも理解を示され「本人の自立の為にも今日は来なかった事にします」と伝えて帰って行かれた。最後の言葉に 本人 が出たのが本当に嬉しかった。
その後、3日間無断欠勤が続いたお昼に、お父さんから夜に行かせてもらいたいとの連絡があった。私の都合上、夜中になってしまうが、多少無理にでも本人を連れてくるよう話し、本人、ご両親、弟、担当支援員、私で面談を行った。最初は緊張し、声も出にくい状況であったが、雑談等をしていく中で少しずつ、いつもの本人に戻っていった。
本人に「休んでしまう自分を変えたい、変わっていって成長したいと思うなら、私たちは支援し、休んでしまうという弱い部分が有る(本人)さんが成長できるように付き合います。ただ、このままで良いと思い、好きな時に休みたいと思うなら、そして他の施設へ行きたいと思うなら、行ってもらっても良いよ。(本人)さんは、どう思う?」と話した。
本人は「変わりたい」と話したので「言いたい事や困った事があれば自分で言いよ。就職したら困るよ」と話すと「ハイ」と答えていた。
その後、担当支援員と2人きりで話すようにすると、今日両親が言った事の半分以上は間違っている事(これも本人の弱さである)自分から考えを伝えるようにする事、成長できるよう頑張る事を確認した。
就労経験の有る利用者は別として、就労経験の無い利用者は殆ど必ずこの壁に当たっている。そして、この壁を乗り越えると訓練に対する意識が変わり、成長して行くのである。親御さんの熱い思いは理解できる。が、私達が人生の中で経験してきた「周りに助けてもらいながらでも自分の力で乗り越えた経験」が彼らには少ないのが事実である。彼らがその実感を得る前に、他の誰かが代わりに乗り越えさせてあげてきたのである。それを経験すると彼らは人間が変わる。本当に。
最後に親御さんに「何かあったらいつでも連絡下さい。しかし本人の気持ちは本人に伝えさせて下さい」と伝えておいた。
これからも何度も休みを繰り返すであろう本人を、変わろうとしていく本人を支援していこうと思います





posted by たつのGHO at 20:28| 日記 | 更新情報をチェックする