就労者の話
先月の2月いっぱいで2名の方が、たつのGHOを卒業し、一般就労に挑戦する事となった。
たつのGHOがスタートしてから沢山の方が就労しているが、訓練施設部門が「就労移行支援」という認可を得てからは初めての就労者である。金曜日、その2名を利用者を含めた仲間全員で送り出した。
障害を持つ方の就労は、就労する事も難しいのだが「働き続ける事」がより難しいのである。以前就労支援に携わっていた施設では沢山の方が就労していったが、その半数程度が現在退職している。以前の私は、就労支援として面接の練習を行ったり、服装のチェック・職場での言葉遣いの訓練等の支援を行っていた。どれも就労する為に必要な訓練であるが、彼らが退職している現状を見ると足りない部分があったと感じる。今では、足りない部分は「働く」という事の責任を障害を持つ方に理解させる事ができなかったからだと思っている。
そして今では、面接練習等の前に働く事を理解してもらう支援を行う事にしている。
たつのGHOに通所される方は殆どの方が、働きたいという言葉を口にする。就労する為の訓練施設に通っているのだから、当然と言えば当然である。問題はどの程度の考えで働きたいと思っているかである。彼らは就労し、給与をもらって生活していかなければならない。一般企業に就労すると、もしかしたら同僚と話が合わないかもしれないし、一日の仕事に体力がついていかないかもしれない、上司に叱られるかもしれない。しかし、それで会社を休んだり、仕事のペースが落ちると、健常者・障害者に関わらず、その人は使い物にならないのが現実である。なので、たつのGHOでは利用者の訓練である作業場面で各々の作業に責任を持つ事を課している。例えば、利用者が旅行に行きたいと相談があると「自分の仕事状況を考えて、行ける状態ならどうぞ」であるし、作業時間にノルマの仕事量がこなせない日は「残業するかどうかは自分達で考えや。この仕事が無くなっても(私)の給料は下がらへんで」と突き放す事にしている。とは言いながら、利用者の工賃を確保するようにはしているが、こういった環境を作る事で、彼らが一般企業に就労した時に、少しぐらい体調が悪い時に休まず勤務できたり、精神的に落ち込む事があっても仕事ができるようになると感じている。そして実際、たつのGHOから就労された方は、過去1人も退職していない。
今回就労した2名の方には、精一杯頑張ってもらいたいし、働く事を実際の現場で体験してもらいたいと感じます。
そして、来月から4名の方が、新しくたつのGHOの仲間として訓練に来られます。新しい方にも「働く事の責任」を伝えていきたいと思います。
posted by たつのGHO at 15:18|
日記
|